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   学 校 の 対 応



 当初困惑気味だった在籍校の対応も、話し合い、他父母からの苦情、養総、
市長からの指導により、少しずつ、広い目で学校全体を見渡し、
目に見えない
『障害』を持つ子供を見つめ、理解・支援をしていくようになりました。 

 
また、平成15年からは(2年間)情緒障害児について積極的に取り組み、
障害児理解教育推進校として教育委員会に承認され、
積極的に職員の教育に取り込む運びとなりました。


 私も平成16年2月に講師として職員会議に招かれ、
以下のような依頼の元に発表しました。



  ○○ 様                              平成16年1月22日
                                    ●●市立▲▲▲小学校
                                    校 長  ◆◆ ◆◆


                 校内研修会の講師の依頼について

  富士山も裾野まで白くなり、厳しい寒さが続いています。 
  日頃から学校へのご協力・ご理解に対し心から感謝いたします。
  さて、本校では、今年度本市教育委員会の指定を受け、障害児理解教育推進校として、
  「互いの良さを認め合い、高め合える子」をテーマに、障害のある児童に対する理解を
  進めてきています。
   つきましては、保護者の方の子育てについての悩みやお考え、学校に対する望みなどを
  お聞かせいただきたいと思います。お話を生かして、子どもたちに対する校内体制を
  より適切に設備していく所存です。ご多忙のところ大変恐縮ですが、よろしくお願い申し
  上げます。なお、お子さんに対するプライバシーについては、細心の注意を払い守って
  いきます。

                      

  1、日  時   平成16年2月 9日(月)
           午後3時〜4時45分

  2、場  所   本校 2階 会議室

  3、内  容   
        ・お話のテーマ
         「子育てを通して、親の悩み苦労、学校に望むこと」

        @お子さんをどのよういに受け止め、育てようとしておられるか。

        A学校に入学した頃からの不安や対処のされ方

        B他の保護者との関わりについて
         ・自分の子どものようすを伝えるとき
         ・問題行動を起したとき、他の保護者にどう知らせるか

        C学校や教職員に対して望むこと


 

 

〜受け止め方、育て方〜

 息子の障害は目に見えない障害です。正しく理解、認識されにくい障害です。
私自身も息子を受け止めるまでに相当な時間がかかりました。

 当初、学校生活になじめない息子に理解が出来ず、また、療育期間や病院を受診し、
説明を受けていたのにもかかわらず自分自身が納得できず、
できない息子に暴力を振るったことも度々あります。 
そのたびに泣きながら謝る息子ですがまた同じ事を繰り返してきます。

 その頃私の頭にあったことは『何でできないんだろう、何でわかってくれないんだろう』の
繰り返しでした。
 そうして私自身も講演会や親の会などに参加して、息子の障害のことを勉強してきました。
そしてまず私自身が息子の障害を正しく認識しないといけないと思いました。

 息子は多動の他に言語性と動作性に顕著な差があることがわかっています。
そして言語性の遅れにより言葉の理解、表現の仕方がわからず咄嗟に手が出てしまうとの
説明も受けたことがあります。
そのためにおととし6月から■■療育園の言語科で週に1回言語指導を受けています。

 私の育て方はとにかくわかりやすい言葉でゆっくりと、
でもあまり長時間は集中が続かないので短く説明をするように心がけています。
例えて言うならいきなり外国に放り込まれたような感じで息子は過ごしているのかなと
思うようにしています。
自分の言葉が通じない、相手の言葉が理解できない。今までの習慣や風習の違い。規則。
それらが通じない。それ故に苛立ち、息子自身もどうしていいのかわからない状態。
そんな中での小学校スタートだったと思います。

 ですが、その環境の中にいれば必ずいつかはわかってくるし、少しずつ理解できて来る。
そう思うようにしています。
 入学当初から今迄で息子は大きく成長したと思います。
その手ごたえは十分に感じています。

 私は息子を感動の玉手箱だと思っています。
できないことが他の児童に比べ、多くあればある分、出来たときの感動を私に与えてくれます。
見逃してしまいそうな些細なことでもそれは私にとって感動であり、喜びです。


〜入学してからの不安や対処の仕方〜


 息子の落ち着きのなさは入学当初から際立っており、
数々のご迷惑を学校にもおかけしてきました。 
私自身もおととし6月に仕事を退職し、学校への付き添い、
遠足への付き添い、通院、また講演会、勉強会などを最優先に過ごしてきました。

 その中で一番の不安は他の児童への問題行動でした。
1学期は極力付き添って登校させましたが、一日中側についていることは出来ず、
その間に学校で起してくる友達への暴力、いたずらなどが度重なり、それが一番辛かったです。
取り返しのつかないことをしてしまうのではないかと毎日が本当に辛かったです。
その頃『補助教員制度』というものを知り、
校長先生にお願いしましたが●●市にはそういう制度が無いとのことで、
とにかく担任の先生の負担を承知の上でお願いするほかに手立てがありませんでした。

 その後、周りの父母からも不安の声が上がっていることを知り、
市長に4回、文部省、首相官邸にも嘆願書を出しましたが、早急な対応は望めませんでした。

毎日が地獄でした。

 朝、子供を送り出すのが辛かったです。そして帰ってきたときに連絡帳を開くのが怖かったです。 
2学期後半になると自分から『今日、悪いことをした』と伝えられるのが耐えられませんでした。
転校も考えました。養護学校にも電話をしました。でもどこにも受け入れ先はありませんでした。
そうして毎日学校に送り出すのが本当に辛かったです。

 多動に有効な薬の一つとして『リタリン』というお薬があります。
この薬は多動の原因のひとつとされている前頭葉の伝達物質の働きの悪さを助ける
中枢神経興奮剤で麻薬に分類されます。
 当然副作用も習慣性もあります。それでも多動に有効だということで息子にも服用させました。

 しかし息子には効果が現れず、その後テグレトールという薬と複合もしましたが、
食欲不振等の副作用が出てきたので、 ◆◆◆医療センターの先生と話し合った結果、
服用を中止しました。

 でも、本当は効果がなくて私自身は少しほっとしました。
息子に薬を飲ませるのが辛かったのです。
一たび効果が上がればそれは生涯持続させるお薬です。
そして、成長と共に量を増やしていくお薬です。
私は自分の息子に麻薬に分類されるお薬を飲ませるのが本当は怖かったのです。



〜他の保護者との関わり 【自分の子供の説明】【問題行動が起こったときの伝え方】〜


 息子の障害のことは1年生の3学期の懇談会で『軽度の発達障害』と父母の方に説明しました。
それで納得していただいたとは思っていませんが、
それ以上の説明は例え仲のいい父母の方にもしていません。
 それは私自身が周りの父母の方を納得させられるような答えを持っていないからかも
しれませんし、私自身が逆の立場だったときにやはり理解はできないと思っているからです。

 目に見えない障害、それを受け入れることは本当に難しいことだと思っています。
私の両親ですらそうでした。一緒に生活をしていて、間近で息子を見ている祖父母でさえ、
それを『障害』とは捉えませんでした。『親の躾が悪いから』と何度となく言われました。
私もそう思いたかったです。それなら私は私自身を直せばいいのですから。
そうだったらどんなにいいかと何度も思いました。

 ですから息子が問題行動を起したときは本当に辛かったです。
私はただ謝るしかありませんでした。
一番辛い言葉は『2度とさせませんから』という言葉でした。
大切な子供に傷をつけられたご両親が望むことはその一言に尽きると思います。
私もそうさせたいと心から思っています。でも繰り返してしまうことも私にはわかっています。
わかっていながらそう謝るのが本当に辛かったです。
息子を隣に座らせてその前で先方に電話をして謝りました。
時には息子を連れて先方のお宅に謝りに行きました。
それでもやっぱり息子は繰り返してしまいます。そんな繰り返しの毎日でした。


〜学校や職員に望むこと〜


 例え双子であったとしても、子供の個性や発達状況には必ず差があります。
ゆっくり成長する子供もいれば、驚くほど早く成長する子供もいます。
そして息子のように多くの助けが必要な子供もいます。

 私の言うことは現場の先生方の苦労を知らない理想論かもしれません。
それでも全ての児童が個々の能力にあった学べる環境を望みます。
気付かれにくい障害を持った子供は昔からいました。統計的に見れば100人中に3〜4人、
 クラスに1人から2人の割合となります。この数字は決して低い数字だとは思いません。
今もこれからもそういった助けを必要とする子供は必ずいると思います。

 通級でお世話になっている○○小学校の先生が仰っていましたが、
●●市でもそういった発達障害児についての検討が積極的に行われているそうですが、
その中でも○○小学校は一歩先を行っている学校だと見ているそうです。
 入学以来、本当に先生方にはたくさんご迷惑をおかけしております。
そして周りの児童やそのご両親にも多大なご迷惑と不安をかけております。
そしてこれからも多くの助けを必要としています。

 今現在、息子の問題行動は1年生の時と比べると減ってきたかのように思えます。 
しかし言語性の発達と共に更に難しい時期に入ってきています。
周りの児童との違いや、劣等感に息子は気付いています。そして苛立っています。
これは2次的障害の現われで、多動は先天的なので防ぎようがないと言われていますが、
2次的障害は周囲の理解と協力と手助けで防げることもできますし、
それを乗り切ると飛躍的に成長するとも言われています。 
息子は今、その大切な時期に入ろうとしています。

 例え軽度であっても障害は治りません。
治らないから障害であって、治ることを望むのではなく上手に付き合っていくものだと
私は考えています。
そして障害を持つことが辛いのではなく、理解されないことや、
やるべきことがわからないことが親にとって何より辛いことです。

 これからもそういった助けの必要な子供とその親のために、
障害があってもなくても、助けを必要としている児童の為に先生方のご協力を
心からお願い申し上げます。
 そして私にできることがあればご指導下さい。
私は先生方と一緒に考え、そして一緒に成長を喜び合えることが望みです。
私には何の知識も経験もありませんが、知りたいことはたくさんありますし、
学ばなければいけないこともたくさんあります。 是非先生方のお力添えをお願い申し上げます。

  最後にこの場をお借りしまして日頃お世話になっております全ての先生方に
心よりお礼を申し上げます。
  また、こういった機会を与えて下さいました校長先生にも心より感謝申し上げます。

 いつもお世話になっております。ありがとうございます。
  そしてこれからも何卒よろしくお願い申し上げます。

                                                                                                          平成16年2月9日 

 



 発表後、何人かの先生に
『とてもわかりやすかったです』とのお言葉を頂きました。
そして、
全職員で息子の障害についての理解が深まったと思います。
 もちろん今まで見過ごされていた子供たちも今は個別指導の機会を与えられ、
これから入学してくるであろう何人かの発達障害児の方も、
そのご両親もこういった制度のある学校に安心して入学して来れると思います。

 しかしながら、まだまだ改善の余地はあるように思えます。
教育予算を削減し、週休2日制にしたり、給食を民間業者に任せたり、2学期制にしたり、
1年編成にする前に他の国(アメリカ)を見習って、まず何が子供にとって一番大切か。
どんな環境が子供にいいのか。
どうすればその子に合った個性が良い方向に伸びるのか、考えるべきだと思います。


 
先生方を含める私たち親が年老いた後、国を支えるのは、
今正に教育を受けている子供たちです。
その子供たちにとって、最高の教育現場の提供を心から望んでいます。


 そして、今、その渦中で苦しんでおられる、ご両親、ご本人様も決して諦める事無く、
その出口を見つけて下さい。 
必ず、そのご苦労が報われ、更なる力と知識になる日が来ると思います。