≪ 市長への手紙 ≫  〜4回目〜


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・自分の名前・歳・電話番号・携帯番号
・自分のメールアドレス

 4度目のお手紙を書かせて頂きます。
 このお手紙が市長の目に届いているのか不安ですが、
是非読んで、教育の現状を知って、改革を起こして頂きたいと心より祈っております。

 これまで養護教育総合センター、教育総合相談センター、学校長、担任、医療機関の先生方、
親の会の方々と、色々な方とお話をしましたが、やはり日本の教育制度は不透明だと思います。
問題が起これば担任に相談して、担任が自分だけで処理できなければ学校長に話しをしますが、
そこから先の動きがどうしても不透明に思われます。

 何故、校長若しくは養総を通さないと教育委員会に親が直接嘆願することが
できないのでしょうか。
子供の状態を1番わかっているのは親です。そして、何よりも心を痛めているのも親なのです。
身を引き裂かれる思い、一刻も早く答えが欲しいと思いながらも3学期になってしまいました。

 私は自分の息子だけが楽になればいいとは思っておりません。
前回の手紙にも書きましたが「情緒障害児」の周りには多くの児童、父母が取り巻いております。
そして毎日を不安の中で過ごしております。
 現状、見通しのつかないこの状況の中で、
私は3月に行われる懇談会で息子のことを説明しなければなりません。
息子の「障害」を説明するのは簡単ですが、どう「納得」して頂くか、私自身がわからないのです。
先の見通しを説明することができないのです。
これから先の事を安心して頂くことができないのです。

 今までの事を振り返りながら書いて参りましたが、
今回は今年に入ってからの動きをお知らせしたいと思います。
 今年に入って思いがけない出来事があり、息子の問題が一気に浮上しました。
今までを何とか押さえながら過ごしてきたと信じていた私にとっては、
全く思いもかけない出来事でした。
そして、その件がきっかけで、教育制度の見直し、新たな制度の確立の必要性を強く感じました。
そしてそれを出来るのは市長だけだと強く確信し、今日に至っております。

詳しい内容は息子のことについてを羅列しました

 今、教育現場の現状は学級崩壊、不登校、いじめなど、様々な問題があると思います。
こういう問題は早いうちに何らかの対策を講じることで、防げることも多いと思います。
子供の成長は驚くほど早いです。

 小さいうちに正しい習慣、正しい教育を繰り返し教えることによって、
社会性を身につけて行くと思います。
もちろんそれらを教えるのは学校だけではなく家庭でも大きな課題だと思っております。
 息子は今、正にその時期を過ごしています。
学校と言語科での教育の成果もあって、
言葉の種類も表現の仕方も1・2学期と比べると驚くほど成長しました。

 しかしながら行動に関しては同じ過ちを繰り返してしまいます。
ADHD児の行動教育に関しては、学習面よりもっと多くの時間と手を必要とします。
ましてや普通学級において、担任が他に30人以上の児童を見ながらADHD児と
関わっていくのは無理だと、この1・2学期を見てきて痛感しております。

 ADHD児の教育、他の発達障害児の教育には専門の知識と経験を積んだ
補助教員がどうしても必要だと思います。
彼らの障害は目に見えません、見えないけれど障害である以上、
何らかの助けが必要な子供達なのです。
そして周りの児童、父母も安心して我が子を学ばせられる環境を願っています。

何か問題が起こってからでは遅すぎます。
何卒早急の対応を重ねてお願い致します。

 ●●市に情緒障害児学級及び補助教員制度を作ってください。
そして父母からも目に見える教育制度の確立を図ってください。
何をどこに相談すればいいのか、誰に訴えればいいのか、親に出来ることは何なのか。
全てを教えてください。

 先の見通しはあるのでしょうか。希望を持ってもいいのでしょうか。
是非お返事を頂きたいと心よりお願い申し上げます。

                                                平成15年2月19日


  全4回に亘る市長へのメールの回答は先に学校側に渡ったようです。
そして、平成15年4月に私の手元に下記のような回答が来ました。

 


◆◆ ◆◆ 様
                ●●市長 ○○ ○



 日ごろから、市政にご協力いただきありがとうございます。
 またお返事が遅くなりましたことをお詫びします。

 ご意見をいただきました、学習障害、アスペルガー症候群などの軽度発達障害
のある子どもたちのための取組については、本市においても大変重要と考えています。
現在、実施しています取組としては、軽度発達障害児の理解と対応、指導の在り方の研究・研修のため、必要に応じて専門スタッフを学校に派遣し、研修を深めたり、校内での支援体制の充実を
図ったり、教職員の指導力の向上を図るようにしています。

 また、今後、校内及び各区で中心となって、軽度発達障害児の専門的な相談や
具体的な対応について助言を行う教員の養成も始めています。
 各学校においては、ティームティーチングや少人数指導を実施する中で、
指導の工夫改善を図り、子ども一人ひとりに応じた指導を推進しているところです。

 ご存知の通り、特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議がまとめた
「今後の特別支援教育の在り方(中間のまとめ)」が発表になり、法の整備を含めて、
通常の学級に在籍する軽度発達障害のある子どもたちの支援がますます拡充していくと
思われます。
 本市においても、国や県の動向を踏まえ総合的な観点から、条件整備を進めるとともに、
一人ひとりに寄り添った、指導の充実を一層図り、子どもたちが安心して学校生活を送れるよう
努めていきます。

 お子様の指導については、これまで可能な限り校長や副校長が指導に加わるなどの対応をして
きましたが、本年度の学級編制にあたっては、お子様のクラス担任以外の教員でもできる限り
指導ができるように配慮しました。
 また、通級指導教室については、○○小学校情緒障害通級指導室において指導が受けられるようにしていきます。
ご心配な点については学校長へ遠慮なくご相談ください。

 ご要望にあります補助教員配置制度については現行では困難ですが、
今後も軽度発達障害のある児童生徒が在籍する学級が円滑に運営されるよう
指導的役割を果たす教員の養成研修や管理職研修等を進めていきます。
 今後とも、市政にご理解とご協力をお願いします。
                
                                               平成15年4月28日

 

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